なぜ単位に人名を付けたのですか?
国際度量衡総会(CGPM)などの国際科学界は、その物理量を初めて定義したり関連法則を明らかにしたりした科学者の功績をたたえるため、その人の姓にちなんだ名前を単位として採用する場合が多くあります。国際的な表記慣例上、こうした単位の記号は大文字で書きますが(例:力の単位ニュートンはN)、単位名を書き出すときは英語小文字で書きます(例:newton)。
基礎物理法則が気になる方へ
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2019年の定義改定で何が変わったか
2019年5月20日から、国際単位系(SI)の基本単位は物理定数にもとづいて定義し直されました。キログラムは国際キログラム原器ではなくプランク定数で、ケルビンはボルツマン定数(1.380649×10のマイナス23乗 J/K)で、アンペアは電気素量(1.602176634×10のマイナス19乗 C)で定められています。人名にちなんだ単位の名前や大きさ自体は変わっておらず、日常で使う数値にも影響はありません。変わったのは、その大きさを世界のどこでも同じ精度で再現するための決め方です。
表記のルールと身近な数値の目安
人名にちなんだ単位の記号は大文字で始め(N、Pa、W、Hz)、メートル(m)や秒(s)のように人名に由来しないものは小文字で書きます。ケルビンには度の記号を付けず、「300 K」のように書きます。日本の家庭用電源は電圧100V、周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzです。天気予報の気圧は、1気圧が101,325Pa(約1013hPa)です。食品の熱量では、1kcalが約4.184kJにあたります。こうした目安を覚えておくと、単位の大きさを実感しやすくなります。
よくある質問
すべての科学単位が人名に由来するのですか?
いいえ。メートル(m)、秒(s)、キログラム(kg)のように、自然現象やギリシャ語・ラテン語の単語に由来する単位も多くあります。人名にちなんだ単位は主に力・圧力・エネルギー・電気など、比較的遅く精密に定義された物理量でよく見られます。
摂氏(℃)とケルビン(K)はどう違うのですか?
どちらも温度を表しますが基準点が異なります。摂氏は水の氷点(0℃)と沸点(100℃)を基準とするのに対し、ケルビンは理論上最も低い温度である絶対零度(0K)を基準とする絶対温度の単位です。
ベクレル、グレイ、シーベルトはどう違うのですか?
ベクレルは放射性物質が1秒間に崩壊する原子核の数、つまり放射能の強さを表します。グレイは物質が吸収した放射線のエネルギー量、シーベルトはそれをもとに人体への影響の大きさを表す単位です。ニュースで目にするシーベルトは、被ばくの影響を見積もるための値だと考えると整理しやすくなります。
キュリー(Ci)はベクレルでいくつですか?
1キュリーは3.7×10の10乗ベクレルです。もともとは、ラジウム1gが出す放射能の強さを基準にした単位でした。現在は国際単位系のベクレルを使うのが原則ですが、古い文献や一部の医療・産業の現場ではキュリーが残っています。
「ケルビン」に度の記号が付かないのはなぜですか?
1967年の国際度量衡総会で、「度ケルビン(°K)」ではなく単に「ケルビン(K)」と呼び、度の記号を付けないことが決められたためです。ケルビンは絶対零度から数える絶対温度の単位で、摂氏の温度差とは同じ大きさですが、0の位置が約273.15ずれています。