トーンアップクリームと日焼け止めの違い

色補正と紫外線カット、目的に合わせてきちんと使い分けてみましょう。

設計された主な目的が違う

日焼け止めは紫外線カットを主目的に設計された製品で、トーンアップクリームは肌のトーンを明るく均一に見せる色補正効果が主目的で、紫外線カットはほとんどの場合付加的な機能です。どちらもSPF・PA値が表示されていることがありますが、トーンアップクリームには色補正効果を出すための顔料が配合されているため、使用感と仕上がりの質感が日焼け止めと大きく異なります。紫外線カットを最優先するなら、トーンアップ機能付き製品よりも純粋な日焼け止めを基本に使う方が安全です。

トーンアップクリームの色補正の原理

多くのトーンアップクリームには薄い紫色や白系の顔料が配合されており、肌のくすんだ黄み・赤みを補色の原理で中和し、明るく見せる効果を出します。この顔料は実際の肌状態を変えるのではなく、視覚的にトーンを補正する役割だけを果たし、紫外線カット成分とは別に働きます。そのため同じSPF値でも、トーンアップクリームと純粋な日焼け止めでは実際の紫外線カット力が異なって感じられることがあります。

薄く塗ると表示されたSPFが出ない

SPF・PA値は実験室で肌1cm²あたり2mgというかなり厚い量を塗った状態を基準に測定されますが、メイク前の色補正目的でトーンアップクリームを薄く伸ばすと、実際のカット効果は表示された値よりかなり低くなります。これはトーンアップクリームだけの問題ではなく、通常の日焼け止めでもよく起こる落とし穴ですが、トーンアップクリームはメイクのベースのように薄く塗ることが多いため、この問題がより目立ちます。確実な紫外線カットを望むなら、指先に十分な量を取って厚めに塗り、時間が経ったら塗り直す習慣が必要です。

一緒に使うときの塗る順番

スキンケアの最終段階で日焼け止めを十分な量でまず塗り、確実な紫外線カット膜を作った後、その上にトーンアップクリームやトーンアップ機能付きのメイクアップベースを薄く重ねてトーンを整える順番が一般的です。外出時間が短く室内中心の活動なら、トーンアップと紫外線カットを兼ねた製品1つで簡単に済ませても問題ありませんが、屋外活動が長い場合や紫外線が強い季節には、純粋な日焼け止めを基本のベースとして塗る方が安全です。

紫外線カット効果を確実にするには

SPF値が高い製品を選ぶことよりも、十分な量を塗り、2〜3時間ごとに塗り直す習慣の方が実際のカット効果に大きく影響します。汗を多くかく日や水遊びをする日は、ウォータープルーフ機能のある製品を選びより頻繁に塗り直す必要があり、メイクの上から塗り直す際は紫外線カット機能付きのクッションやミストタイプを活用すると便利です。

状況別にどちらを選ぶか

肌トーンの補正が不要で紫外線カットを優先したいなら純粋な日焼け止めを、短時間の外出でメイク前のトーン補正と軽い紫外線カットを両方望むならトーンアップクリームを選ぶのが効率的です。両方を1つの製品で兼ねたいなら、SPF値が十分高く(SPF30以上が目安)色補正効果もある製品を選んでシンプルにすることもできますが、長時間の屋外活動が予定されているなら別途純粋な日焼け止めも一緒に用意することをおすすめします。

塗る量の目安

SPFの測定は肌1cm²あたり2mgという量で行われますが、日常の使用ではその半分にも満たない量しか塗られていないことが多いと報告されています。目安としては、人差し指と中指の2本に日焼け止めを線状に出した量を顔と首に使う方法がよく紹介されますが、顔の大きさによって適量は変わります。トーンアップクリームだけで紫外線対策をしようとすると、ベースメイクとして使うときよりかなり多く塗る必要があり、仕上がりが重く感じられるため、結局薄づきになりがちです。

SPFとPAの読み方

SPFは主にUVB(肌が赤くなる日焼けの原因)に対する防御力の目安です。一方、UVA(肌の奥まで届き、シワやたるみなど光老化に関わる)に対しては、日本ではPAという「+」の数で表示します。トーンアップクリームの中にはSPFだけを表示してPAの記載がないものもあり、その場合はUVAへの防御力が分からないため、パッケージの表示を両方確認することが大切です。

色付き日焼け止めと可視光

一部の色付きミネラル系日焼け止めには酸化鉄が含まれており、可視光の影響を和らげる可能性があるとされています。シミや色素沈着が気になる人の間で関心が高まっていますが、科学的な裏付けは現在も研究が続いている段階です。また、白や薄紫のトーンアップ顔料(酸化チタンなど)は肌を明るく見せる一方、肌色が濃い人の場合は白浮きすることがあるため、自分の肌色との相性を確かめて選びましょう。

夜の落とし方

日焼け止めや色付きのベース製品は、日中落ちにくいように作られているため、洗顔料だけでは残ってしまうことがあります。ウォータープルーフタイプはとくに、オイルやバームのクレンジングで馴染ませてから、通常の洗顔でしっかり落とす二段階が一般的です。落とし残しは毛穴の詰まりにつながることがあるため、ニキビができやすい人は夜のケアを丁寧に行いましょう。

肌質とテクスチャーで選ぶ

脂性肌には、軽いジェルやフルイドタイプの日焼け止めと、薄づきでサラッとしたトーンアップ製品が合いやすく、乾燥肌にはクリームタイプや保湿力の高い処方が向いていると言われます。敏感肌の人は、無香料や紫外線散乱剤(ノンケミカル)の製品を選ぶ傾向がありますが、どのタイプでも顎のラインなどでパッチテストをしてから使うと安心です。

日焼け止めのタイプ別の違いも気になるなら

日焼け止めは大きく紫外線散乱剤(ミネラル系)と紫外線吸収剤(ケミカル系)に分かれ、それぞれ使用感や仕上がり、敏感肌への向き不向きが異なります。トーンアップクリームの下に重ねる日焼け止めを選ぶ際の参考にしてみてください。

メイクの上に重ねる場合

この上にフルメイクを重ねる場合は、まず日焼け止めを塗って肌に馴染ませ、その後トーンアップクリームを薄く重ね、最後にファンデーションを塗る順番にすると、液状のアイテムを重ねすぎて起こるヨレやダマを防ぎやすくなります。

よくある失敗

1つ目は、トーンアップクリームに表示されたSPF値を、専用の日焼け止めと同じ効果だと思い込むことです。実際に塗る量は何分の一かになりがちです。2つ目は、手のひらで2つの製品を混ぜてから塗ることで、膜の状態が変わり、製品が想定している使い方から外れるため、重ねて使う方が無難です。3つ目は、メイクの上から塗り直さないこと。4つ目は、首や耳、生え際を塗り忘れることです。朝1回の塗布だけで屋外に長時間いると、午後には効果が弱くなっています。

普段使いのシンプルな流れ

通勤や買い物程度の日は、保湿の後にSPF30以上でPA表示のある日焼け止めを塗り、必要に応じてトーンアップクリームを薄く重ねる流れで、多くの場合は十分です。海や登山、スポーツの日はウォータープルーフの日焼け止めをたっぷり塗り、トーンアップは省いても構いません。ここで紹介した内容は一般的な情報であり、皮膚疾患がある方や、製品で肌荒れを繰り返す方は、皮膚科医に相談してください。

よくある質問

トーンアップクリームだけで紫外線カットは十分ですか?

SPF値が表示されていても、メイク前の色補正目的で薄く塗ることが多いため、実際のカット効果は表示値より低くなることがあります。長時間の屋外活動がある場合は、まず純粋な日焼け止めを適量塗ってから、その上にトーンアップクリームを重ねる方が安全です。

日焼け止めの上にトーンアップクリームを塗るとヨレませんか?

日焼け止めが完全に肌に馴染んでから、トーンアップクリームを少量ずつ軽くたたくように塗るとヨレを減らせます。両方とも油分の多いテクスチャーの場合は、トーンアップクリームの量を最小限にするのがおすすめです。

SPF50表示のトーンアップクリームなら、日焼け止めは省略できますか?

短時間で屋内中心の日なら問題ないこともありますが、SPF値は厚く塗った場合の数字です。屋外で長く過ごす日は、日焼け止めを別にたっぷり塗る方が確実です。

室内や車の中でも紫外線対策は必要ですか?

窓ガラスはUVBの多くを遮りますが、UVAはかなり通します。窓際で長時間過ごす人や運転が多い人は、日常的な対策を考えてもよいでしょう。必要な度合いは肌質や季節、地域によって変わります。