トーマス・キルマン葛藤対処モデル(TKI)とは?
トーマス・キルマン葛藤対処モデル(Thomas-Kilmann Conflict Mode Instrument, TKI)は、心理学者ケネス・トーマスとラルフ・キルマンが1970年代に提唱した葛藤管理モデルで、人が葛藤場面で見せる反応を「自己主張」と「協調性」という2つの軸をもとに、競争型・協調型・妥協型・回避型・受容型の5つに分類します。企業のリーダーシップ研修やチームコミュニケーション研修で頻繁に活用される代表的な葛藤管理フレームワークです。このページはTKI理論の概念を紹介する教育コンテンツであり、正式な検査による診断結果ではありません。
2つの軸で理解する
横軸は「自己主張(自分の要求をどれだけ通そうとするか)」、縦軸は「協調性(相手の要求をどれだけ配慮するか)」です。競争型は自己主張が高く協調性が低く、受容型はその逆です。協調型は両方とも高く、回避型は両方とも低い位置にあります。妥協型は両方とも中間に位置します。
一番良いスタイルは決まっているのか?
いいえ。TKI理論の核心は、5つのスタイルに優劣はなく、状況に合った対応方法を選ぶことが重要だという点にあります。ほとんどの人は特定の場面でよく使う主なスタイルを持っていますが、葛藤の重要度や関係性の性質に応じて、柔軟にスタイルを使い分けられることが望ましいとされています。
このモデルの限界と使い方の注意
TKIは、人が葛藤場面でどのような行動を取りやすいかを整理した枠組みで、性格そのものを決めつけるものではありません。また、文化や職場の風土によって、同じ行動の受け止められ方は変わります。たとえば、直接的な主張が歓迎される環境もあれば、控えめな姿勢が好まれる環境もあります。ここで紹介した内容は理論の概要であり、正式な検査の結果や、専門家による評価の代わりにはなりません。
葛藤を建設的に扱うための実践のヒント
話し合いの場では、まず相手の言い分を自分の言葉で言い換えて確認し、相手の立場と自分の立場の違いを整理します。次に、立場の背後にある関心(なぜそう主張するのか)を尋ね合うと、見かけ上は対立していても、両立可能な解決策が見つかることがあります。感情が高ぶっている場合は、いったん休憩を挟むことも有効です。ハラスメントや安全に関わる問題など、当事者同士の話し合いで解決すべきでないケースでは、人事部門や外部の相談窓口に相談してください。
よくある質問
一人は一つのスタイルしか使わないのですか?
いいえ。実際のTKI検査では5つのスタイルすべてのスコアが算出され、ほとんどの人は状況に応じて2〜3のスタイルを組み合わせて使うとされています。
回避型や受容型は良くない対応方法なのですか?
いいえ。些細な葛藤であったり、冷却期間が必要なときは回避型が、関係維持がより重要なときは受容型がむしろ効果的な場合があります。ただし、重要な問題まで回避や受容を続けると、問題が積み重なる恐れがあるため注意が必要です。
TKIの正式な検査はどこで受けられますか?
TKIは、有料の正式な検査として提供されており、認定を受けた機関や専門家を通じて受けるのが一般的です。インターネット上の無料診断は、正式な検査とは異なる場合があるため、結果は参考程度に捉えてください。
協調型が常に最善というわけではないのですか?
協調型は、時間と労力がかかるため、重要度が低い問題や、時間がないときには不向きなことがあります。また、相手に協力する意思がない場合は成立しません。状況に応じて他のスタイルを使い分けることが望ましいとされています。
上司との葛藤にも同じ考え方は使えますか?
使えますが、力関係の違いを考慮する必要があります。上司に対して競争型を取るのはリスクがある場合が多く、協調型で相手の関心を確認したり、必要に応じて受容型で従ったりすることが現実的です。ただし、不当な扱いやハラスメントが疑われる場合は、我慢せず社内外の相談窓口に相談してください。