モデム・ホームゲートウェイのブリッジモード設定方法(二重NAT解決)

ポート開放が正しく設定しているはずなのに機能しない、ゲーム機のNATタイプが「制限あり」や「中」と表示される、そんなときは二重NATが原因であることがよくあります。ブリッジモードでの解決方法を整理しました。

  1. 二重NATの症状を見分ける

    自分のルーターで設定したポート開放がいつまでも機能しない、ゲーム機やアプリでNATタイプが「制限あり(Strict)」などと表示される、ルーターのWAN側IPアドレスを確認したら実際には192.168や10.、172.16〜31で始まるプライベートアドレスだった(つまり自分のルーターがインターネットに直結しておらず、別のルーターの内側につながっている)といった状態が典型的な症状です。

  2. 回線事業者から提供されたモデム・ゲートウェイにログインする

    モデムとルーター、Wi-Fiアクセスポイントが一体になった回線事業者提供の機器の多くは、自分で用意したルーターとは別のローカルアドレスで管理画面にアクセスします。機器本体のラベルや回線事業者から提供された資料で、正しいログインアドレスと認証情報を確認してください。

  3. ブリッジモードの設定項目を探して有効にする

    「詳細設定」「ネットワーク設定」「WAN設定」「ゲートウェイ設定」などの項目の中に、「ブリッジモード」「パススルー」、場合によっては「IPパススルー」という名称の設定があります(正確な名称や場所は回線事業者や機種によってかなり異なります)。この設定を有効にすると、回線事業者提供機器自体のルーティング機能、DHCP機能、NAT機能、そして多くの場合Wi-Fi機能も無効になり、自分でネットワークを作る代わりに、公開IPアドレスをそのまま下流に流すだけの機器になります。

  4. 自分のルーターのWANポートをモデムに接続する

    ブリッジ化した機器のLANポートから、自分のルーターの通常のLANポートではなく、必ずWANポート(「インターネット」ポート)にLANケーブルを接続します。こうすることで、自分のルーターが公開IPアドレスを直接受け取れるようになります。

  5. 正しい順番で両方の機器を再起動する

    両方の機器の電源を切り、まずモデム(ゲートウェイ)の電源を入れて接続が完全に確立するのを待ってから、その後自分のルーターの電源を入れます。こうすることで、自分のルーターがすでに確立済みの接続から新しいIPアドレスを取得できます。

  6. 単一NATになったことを確認する

    自分のルーターの管理画面でWAN側IPアドレスを再度確認します。プライベートアドレスではなく本物の公開IPアドレスが表示されていれば、ブリッジモードは正しく機能しており、自分のルーターでのポート開放も想定通りに機能するはずです。

  7. ブリッジにしても公開IPが得られない場合(CGNAT)

    回線事業者によっては、利用者に直接公開IPを渡さず、事業者側で多数の利用者を一つの公開IPにまとめるCGNATを使っています。この場合、WAN側のIPアドレスが100.64.0.0から100.127.255.255の範囲に見えます。ブリッジモードにしても公開IPは得られず、外部からの接続はできません。契約の変更や、事業者の提供する別の接続方式の確認が必要です。

  8. PPPoEとIPoEで設定が変わる

    PPPoE方式では、ルーター側にIDとパスワードを入力して自分でダイヤルします。ブリッジにしたホームゲートウェイは、その接続を素通しにするだけです。IPv6のIPoE方式では、事業者の設備側の設定に従う必要があり、IPv4の通信をv6プラスなどで処理する方式ではポートの扱いが制限されることがあります。事業者のサポートページで、使う方式と必要な設定を確認してください。

  9. IPv6はNATを使わない

    IPv6では端末ごとにグローバルなアドレスが割り当てられるのが基本で、NATは使いません。そのため二重NATの問題はIPv4側で起こります。IPv6の通信は、ルーターのファイアウォールで受信を制限するのが一般的で、外から入る通信を許可する場合はその設定が必要です。

  10. ブリッジ前に控えておく情報

    契約書や開通案内で、回線の種別、接続方式、PPPoEの認証ID、ホームゲートウェイの管理者情報を確認し、控えておきます。電話サービス(ひかり電話など)を利用している場合は、ホームゲートウェイが電話機能を担っていることが多く、それを止めるとサービスに影響するため、手順を事業者に確認してください。

二重NATが実際に何を壊しているのか

NATの層が2つ(回線事業者提供機器と自分のルーター)重なっていると、外部から開始される着信接続(まさにポート開放が実現しようとしていること)は、両方の層を正しく通過する必要があり、ほとんどの回線事業者提供のゲートウェイは、自分自身がルーターとして動作している機器へのポート転送を想定した設計になっていません。この結果として、ゲームの着信接続、一部のP2Pアプリケーション、一部のVPNパススルーのシナリオ、NASや防犯カメラへのリモートアクセスなどが、よく機能しなくなります。

回線事業者提供機器を完全にブリッジ化できない場合の対処法

一部の回線事業者提供機器、特に光回線の一部のONUでは、管理機能を残す必要があるため完全なブリッジ化ができないことがあります。その場合の対処法として、自分のルーターのWAN側IPアドレスを回線事業者提供機器のDMZ設定に登録する方法(実質的にほぼすべての通信をそのまま転送するため、ブリッジモードに近い効果があります)や、回線事業者提供機器のWi-Fiとルーティング機能を完全に無効化し、純粋なモデムとしてのみ使い、それ以外はすべて自分のルーターに任せる方法があります。ただし後者の場合でも、回線事業者提供機器自体が処理してしまう通信については、二重NATの状態が残ります。

よくある失敗

ブリッジにしたあと自分のルーターを再起動していない、ケーブルをWANではなくLANポートに挿している、ホームゲートウェイを古い設定のまま使っている、といった失敗が多く見られます。また、ブリッジ化で事業者のWi-Fiが止まると、他の機器が接続できなくなるため、先に自分のルーターのWi-Fiを同じSSIDとパスワードにしておくと、再設定の手間を減らせます。

元に戻す方法

うまくいかない場合は、ホームゲートウェイを初期化するか、ブリッジモードを無効に戻せば、元のルーターモードで動作します。作業前に設定画面を撮影するか、メモを残しておくと、元の状態への復帰が簡単です。変更で通信ができなくなったときは、事業者のサポートに連絡してください。

よくある質問

ブリッジモードにすると回線事業者提供のWi-Fiは使えなくなりますか?

ほとんどの場合そうなります。ブリッジモードでは、ルーティング機能と合わせて回線事業者提供機器自体のWi-Fi機能も無効になるのが一般的で、代わりに自分のルーターのWi-Fiが完全に役割を引き継ぐことを想定しています。ブリッジモードを有効にした後も以前のネットワーク名が見え続ける場合は、機器側の設定を再確認するか、サポートに問い合わせてください。

回線事業者の機器にブリッジモードの設定項目がまったくない場合はどうすればいいですか?

代わりに「IPパススルー」という機能がないか確認してください。名称は違いますが、似た効果が得られます。どちらもない場合は、自分のルーターを回線事業者提供機器のDMZに設定するのが次善の対処法ですが、本来のブリッジモードほどすっきりした構成にはなりません。

ブリッジモードにすると、ひかり電話は使えなくなりますか?

機器によっては、電話機能を持つホームゲートウェイを通常どおり動かしたまま、ルーター機能だけを止める設定ができます。ただし機種や契約によって異なるため、設定前に事業者の案内で確認してください。

DMZを使うのとブリッジモードでは何が違いますか?

DMZでは事業者の機器がNATを続けたまま、特定のIPアドレスに受信した通信を転送します。ブリッジモードでは事業者の機器がNATをやめるため、自分のルーターが直接公開IPを受け取ります。ブリッジのほうが構成は単純ですが、機種によっては選べません。