評価基準は求人票の段階から始まっている
試用期間の評価基準は、採用時に提示した業務内容や条件と地続きであるほど機能します。求人票の段階で業務内容が曖昧だと、評価基準も曖昧にならざるを得ず、それまで一度も示されていなかった基準で本採用を見送ると、後から公正さを問われやすくなります。求人票の段階から検証可能な具体的な業務内容を書いておくことが、後の評価基準づくりを楽にします。
記録が判断を支える
本採用にする場合もしない場合も、評価シートやフィードバック記録、面談記録といった書面が、判断が問われたときに会社側と本人の双方を守る材料になります。記録がなければ、何が言われたかという記憶の食い違いだけが残ります。面談のたびに簡単なメモを残す習慣だけでも、プロセス全体の説明可能性が大きく変わります。
本採用拒否の前に確認する5つの点
本採用を見送る前に、次の点を確認しておくとよいでしょう。第一に、求人票や雇用契約書で示した業務と、実際の評価項目が一致しているか。第二に、中間評価で具体的な改善点を本人に伝え、改善の機会を与えたか。第三に、評価が複数の人の目で検討され、記録が残っているか。第四に、解雇予告や予告手当などの手続きに誤りがないか。第五に、配置転換や追加の指導など、他の選択肢を検討したか。なお、この記事は一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。個別のケースは、労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
試用期間中の従業員も通常の福利厚生の対象になりますか?
日本では、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険は加入要件を満たす限り、試用期間の初日から適用されます。「試用期間だから」という理由で加入を後回しにすることはできません。社内の福利厚生制度については就業規則に従いますが、試用期間だけを理由に不利に扱う場合は、合理的な理由が必要です。
試用期間中の給与を通常より低くしてもよいですか?
試用期間中の給与を本採用後より低く設定すること自体は、雇用契約で明示していれば可能な場合がありますが、最低賃金を下回ることはできません。最低賃金法には、試みの使用期間中の者について減額を認める特例がありますが、都道府県労働局長の許可が必要であり、会社が自由に減額できるわけではありません。給与を設定する前に、条件を労働局や専門家に確認してください。
試用期間中に本人から辞めたい場合はどうなりますか?
期間の定めのない雇用契約であれば、労働者は民法の規定により、2週間前に申し出ることで退職できるのが原則です。就業規則で1か月前などの申し出期間が定められていることもありますが、実際の取り扱いは契約内容によって異なります。円満に引き継ぎを行うため、早めに相談してもらうのが望ましいです。
試用期間を延長して、もう少し様子を見てもよいですか?
就業規則や契約書に延長の定めがあり、延長理由と期間が合理的な場合に限り認められるのが一般的です。根拠なく延長を重ねると、労働者の地位を不安定にするとして争いになるおそれがあります。延長するときは、理由、期間、改善してほしい点を書面で伝えてください。