魔方陣とは
魔方陣(マジックスクエア)は、1からn²までの整数をn×nのマスに1回ずつ入れ、すべての行・すべての列・2本の対角線の和を同じにした配列です。その共通の和を魔方陣定数と呼びます。このツールは3×3から15×15までの奇数次をシャム法で作り、2n+2本のすべての線の和を定数と照らし合わせて結果を示します。
パズルの穴埋め問題の元になる完成盤が欲しいとき、等差数列の和や規則性を授業で見せたいときなどに使えます。
魔方陣定数の求め方
1からn²までの和は n²(n²+1)/2 です。これがn本の行に同じ和で分かれるので、1行の和はn²(n²+1)/2をnで割った値になります。
魔方陣定数 = n × (n² + 1) / 2
3×3なら1〜9の和45を3行で割って15、5×5なら1〜25の和325を5行で割って65です。このツールの方法で作る奇数次の魔方陣では、中央のマスはいつも (n²+1)/2 になり、これは定数をnで割った値と一致します。
次数別の参考表
下の表は公式からビルド時に計算した値です。「異なる魔方陣の数」は、小さい次数でのみ確立した値を載せています。
| 次数 n | マス数 | 数字の総和 | 魔方陣定数 | 中央のマス | 作り方 | 異なる魔方陣の数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3×3 | 9 | 45 | 15 | 5 | 奇数次: シャム法(このツール) | 8通り(回転・反転を同一視すると1通り) |
| 4×4 | 16 | 136 | 34 | なし(中央のマスがない) | 倍偶数(4の倍数): 別の方法 | 7,040通り(回転・反転を同一視すると880通り) |
| 5×5 | 25 | 325 | 65 | 13 | 奇数次: シャム法(このツール) | 回転・反転を同一視して275,305,224通り |
| 6×6 | 36 | 666 | 111 | なし(中央のマスがない) | 単偶数(4k+2): 別の方法 | 非常に多い(研究が続いている分野) |
| 7×7 | 49 | 1,225 | 175 | 25 | 奇数次: シャム法(このツール) | 非常に多い(研究が続いている分野) |
| 8×8 | 64 | 2,080 | 260 | なし(中央のマスがない) | 倍偶数(4の倍数): 別の方法 | 非常に多い(研究が続いている分野) |
| 9×9 | 81 | 3,321 | 369 | 41 | 奇数次: シャム法(このツール) | 非常に多い(研究が続いている分野) |
| 10×10 | 100 | 5,050 | 505 | なし(中央のマスがない) | 単偶数(4k+2): 別の方法 | 非常に多い(研究が続いている分野) |
2×2の魔方陣は存在しません。3×3は回転・反転を除くと本質的に1通りだけで、8通りはすべて同じ形の向きを変えたものです。6×6以上は個数を正確に述べにくいため、表には具体的な数を載せていません。
シャム法の手順
- 最上段の中央のマスに1を書きます。
- 次の数は、現在のマスの右上のマスに書きます。盤面の外に出る場合は反対側の端から続けます(上に出れば最下段、右に出れば左端)。
- 行き先がすでに埋まっている場合は、右上ではなく現在のマスの真下に書きます。
- n²まで繰り返します。
この規則で作った3×3と5×5は次のとおりです(ビルド時に同じアルゴリズムで計算)。
| 8 | 1 | 6 |
| 3 | 5 | 7 |
| 4 | 9 | 2 |
| 17 | 24 | 1 | 8 | 15 |
| 23 | 5 | 7 | 14 | 16 |
| 4 | 6 | 13 | 20 | 22 |
| 10 | 12 | 19 | 21 | 3 |
| 11 | 18 | 25 | 2 | 9 |
3×3は古代中国の「洛書」を上下に反転した形です。また、このツールの魔方陣は、中心について対称の位置にある2つのマスの和がいつも n²+1 になります。5×5では左上の17と右下の9の和が26、つまり25+1です。
検算済みの例
例1:3×3の検算。1行目 8 + 1 + 6 = 15、1列目 8 + 3 + 4 = 15、主対角線 15、反対側の対角線 15。すべて 15 です。
例2:5×5の検算。中央の行 4 + 6 + 13 + 20 + 22 = 65、中央の列 65、2本の対角線 65 と 65。すべて 65 で、中央のマスは 13 = (25+1)/2 です。
例3:デューラーの4×4。アルブレヒト・デューラーの版画「メランコリアI」(1514年)に描かれた4×4の魔方陣は、1行目が 16, 3, 2, 13 で、定数は 34 です。行の和は 34, 34, 34, 34、列の和は 34, 34, 34, 34、対角線は 34 と 34 で、4隅の和も34です。最下段の隣り合う15と14は制作年の1514を表すと言われています。偶数次なので、このツールでは作れません。
魔方陣のままで変形する方法
- 回転・反転:1つの魔方陣から8通りの向きが得られます。
- 全マスに同じ数を足す:定数は n × その数だけ増えます(数字は1〜n²でなくなります)。
- 全マスに同じ数を掛ける:定数も同じ倍率になります。
- 各数xを n²+1−x に置き換える:やはり魔方陣になり、定数は変わりません。
よくある誤解と限界
- 同じサイズでは同じ形しか出ません。シャム法は決まった手順なので、同じ次数なら同じ結果になります。バリエーションは上の変形で作ります。
- 偶数次は作れません。4、6、8…は別の作り方が必要で、4の倍数かどうかで方法が変わります。
- 「汎魔方陣」ではありません。検算するのは行・列・主対角線だけで、折れ曲がる対角線までは保証しません。
- 定数は線の和だけの話です。4隅の和や小さな部分の和が一定とは限りません。
- 数字の範囲は1〜n²に固定です。別の数を使いたい場合は、上の足し算・掛け算の変形を手作業で行ってください。
結果の活用方法
授業では、公式から先に定数を予想させ、生成結果と検算の表示を見比べさせると、等差数列の和と規則性の練習になります。パズル作りでは、「表をコピー」で貼り付けたあとで何か所かを空欄にし、中央が (n²+1)/2 であることや各線の和が定数に等しいことを手がかりに解いてもらえます。コピーしたデータはタブ区切りなので、表計算ソフトにそのまま貼れます。
よくある質問
偶数サイズの魔方陣は作れませんか?
2×2を除き、偶数次の魔方陣も存在します。ただし4の倍数と4k+2の次数で別の方法が必要なため、このツールは奇数次のみ対応しています。上でデューラーの4×4を例として示しました。
生成した魔方陣が正しいか確かめられますか?
結果ボックスの「検算」で、すべての行・列・2本の対角線の和が魔方陣定数と一致するかを自動で調べています。数本を手で足してみるのもよい方法です。
なぜ2×2の魔方陣はないのですか?
マスを a, b / c, d とすると、1行目 a+b と1列目 a+c が等しくなる必要があり、b = c になります。すべて異なる数を使う魔方陣では不可能だからです。
3×3の魔方陣は何通りありますか?
回転・反転を区別すれば8通り、同一視すれば1通りです。中央は必ず5で、4隅には偶数が入ります。1〜9のすべての並べ方を調べた計算でも、ちょうど8通りでした。
魔方陣の由来は?
3×3の魔方陣は古代中国の「洛書」として伝わり、ヨーロッパではデューラーの4×4が有名です。東西で古くからパズルや象徴として扱われてきました。