元利均等返済と元金均等返済のちがい
ローンの毎月の返済額は「元本の返済分」と「利息」の合計です。この内訳の決め方で、代表的な2つの方式に分かれます。元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が返済期間を通じて一定になる方式です。家計の見通しが立てやすい反面、最初の時期は返済額の大半が利息にあたり、元本はなかなか減りません。元金均等返済は、元金を返済回数で割った額を毎月返し、利息は残高に応じて計算します。初回の返済額が最も大きく、その後は毎月少しずつ減っていき、総利息は元利均等より少なくなります。
このほかに、毎月は利息だけを払い元本を最後にまとめて返す方式(期日一括返済)もありますが、この計算機では扱いません。月々の利息のめやすは「残高 × 年利 ÷ 12」で求められます。
計算式
月利を r(年利 ÷ 12)、返済回数を n(ヶ月)とします。ここでは月ごとの複利という標準的なモデルで計算します。実際の金融機関は日割りで利息を計算することが多く、数十円〜数千円ほどずれる場合があります。
元利均等:毎月の返済額 = 元金 × r × (1+r)n ÷ ((1+r)n − 1)
毎月の利息は「直前の残高 × r」、返済額から利息を引いた残りが元本の返済分です。この返済額は、n回分の支払いを借入時点の価値に直した合計がちょうど借入額に一致するように決まっています。
元金均等:毎月の元金 = 借入額 ÷ n、毎月の利息 = 残高 × r。総利息は 元金 × r × (n+1) ÷ 2 という閉じた式で求まり、毎月の返済額は (元金 ÷ n) × r ずつ減っていきます。
金利が0%の場合は、どちらの方式でも毎月の返済額は元金 ÷ n で利息は発生しません。
検算済みの計算例
例1:300万円、年3%、60ヶ月(5年)
月利は0.25%です。元利均等の毎月返済額は約53,906円、総返済額は約3,234,364円で、総利息は約234,364円です。1回目は利息7,500円・元本46,406円、返済後の残高は約2,953,594円。2回目の利息は約7,384円と少しずつ減ります。 元金均等では初回が57,500円、最終回が約50,125円で、総利息は228,750円です。差はおよそ5,600円で、初回の返済額は元利均等より約3,600円大きくなります。
例2:3,000万円、年2%、360ヶ月(30年)
元利均等は毎月約110,886円、総利息は約9,918,903円(元金の33.1%)です。1回目の利息は50,000円、元本は約60,886円です。 元金均等は初回約133,333円から最終回約83,472円まで下がり、総利息は9,025,000円。期間が長いため、2方式の差は約89万円と大きくなります。
返済額の目安表(借入100万円・元利均等)
下の表は上の式でビルド時に計算した値です(単位:円)。借入額が300万円なら3倍、50万円なら半分として見てください。行どうしの比較で金利1%分の影響、列どうしの比較で期間を延ばしたときの減り方を確認できます。
| 年利 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 20年 | 35年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1% | 83,785 | 28,208 | 17,094 | 8,760 | 4,599 | 2,823 |
| 2% | 84,239 | 28,643 | 17,528 | 9,201 | 5,059 | 3,313 |
| 3% | 84,694 | 29,081 | 17,969 | 9,656 | 5,546 | 3,849 |
| 4% | 85,150 | 29,524 | 18,417 | 10,125 | 6,060 | 4,428 |
| 5% | 85,607 | 29,971 | 18,871 | 10,607 | 6,600 | 5,047 |
期間と総利息の関係(3,000万円・年2%・元利均等)
| 返済期間 | 毎月の返済額(円) | 総利息(円) |
|---|---|---|
| 10年 | 276,040 | 3,124,843 |
| 20年 | 151,765 | 6,423,600 |
| 30年 | 110,886 | 9,918,903 |
| 35年 | 99,379 | 11,739,109 |
期間を延ばすと毎月の負担は軽くなりますが、利息を払う期間が長くなる分、総利息は増えます。毎月の返済額が小さく見えることだけで期間を決めないようにしましょう。
よくある間違いと注意点
- 期間を「年」で入力する:期間はヶ月数で入力します。5年なら60、10年なら120、35年なら420です。
- 毎月の返済額だけで比べる:返済額が近くても、総利息や元本の減り方は大きく異なることがあります。
- 元利均等なら元本がすぐ減ると思う:例2では初回の返済額のうち元本は約55%にとどまります。長期ほど初期は利息の割合が高くなります。
- 金利が変わらない前提を忘れる:変動金利型は、金利が見直された時点の残高と残り期間で計算し直す必要があります。
この計算機では足りないケース
- 返済中に金利が変わる変動金利型で、総支払額を確定させたい場合
- 据置期間やボーナス併用返済、期日一括返済の金額を知りたい場合
- 保証料、事務手数料、団体信用生命保険料、繰上返済手数料など元利以外の費用を含めたい場合
- カードローンやリボ払いのように残高が随時変わる借入
結果の活用方法
- 無理のない返済額から逆算する:収入から固定費を引いた余裕額より、毎月の返済額が小さいかを先に確認し、超える場合は借入額や期間を調整します。
- 複数の条件を同じ入力で比較する:金利と期間を変えて試し、手数料などは別に足して比べます。
- 貯蓄との比較:返済と積立のどちらを優先するか考えるときは、複利計算機や預金利息計算機、積立貯金計算機も役立ちます。
ご注意
この計算機は入力した元金・金利・期間を基にした参考用の推定値であり、金融・法律・税務の助言ではありません。例に使った金利や金額は説明のための仮定値で、特定の商品を示すものではありません。 実際の返済額は、日割り計算、端数処理、手数料、保証料、優遇金利の条件、個人の信用状況などによって変わります。重要な判断は、必ず金融機関の説明書面や返済予定表で確認してください。入力した数値はブラウザ内だけで計算され、サーバーには送信されません。
よくある質問
どちらの返済方式が有利ですか?
総利息だけを見れば、同じ条件なら元金均等返済の方が必ず少なくなります。ただし初期の返済額が大きく、家計の負担や借入可能額の面で不利になることがあります。毎月の返済額を一定にしたいなら元利均等が現実的です。
手数料や保険料は含まれますか?
含まれません。元金と利息のみの計算です。事務手数料、保証料、保険料、繰上返済手数料などは別に確認し、比較するときは自分で加えてください。
変動金利のローンにも使えますか?
固定金利を前提としています。変動金利型は、金利が見直されるたびに「その時点の残高」「新しい金利」「残りのヶ月数」を入力し直すと、以後の返済額の目安がわかります。
金利が1%上がると返済額はどれくらい増えますか?
上の表で確認できます。たとえば100万円を20年(240ヶ月)で借りる場合、年3%と年4%の差は毎月約5,546円から約6,060円へ、約514円の増加です。借入額が大きいほど、その分だけ比例して増えます。
金融機関の返済額と少し違うのはなぜですか?
実際は日割りで利息を計算したり、初回と最終回の日数が異なったり、端数処理のルールが機関ごとに違ったりします。そのため、この計算機の月利方式とは数十円〜数千円のずれが出ることがあります。