通じない和製英語ならぬ「コングリッシュ」に学ぶ英語の落とし穴

韓国語には英語のように聞こえて、実は英語ネイティブに通じない言葉がたくさんあります。日本語の「和製英語」と同じ現象を、韓国語の例で見てみましょう。日本語話者にとって親しみのある言葉も多く含まれています。

handphone → cell phone / mobile phone

韓国語では携帯電話を「ハンドフォン」と呼びますが、アメリカ英語では cell phone、イギリス英語では mobile phone と言うのが普通です。興味深いことに、シンガポールやマレーシアの英語では handphone は実際に通じる表現なので、完全な誤りというより「地域によって通用度が違う言葉」に近いものです。

service → free / on the house

韓国語の「サービス」は「無料でおまけしてくれるもの」という意味で使われますが、英語の service にはその意味はありません。無料であることを伝えるには "It's on the house" や "This one's complimentary" のように言います。

cunning → cheating

韓国語では試験の不正行為を「カニング」と呼びますが、英語の cunning は「狡猾な、抜け目のない」という意味の形容詞で、試験とは無関係です。試験中の不正は cheating (on a test) と言い、この語自体は日本語を経由して韓国に伝わったとされています。

one-piece → dress

上下がつながったワンピースの服は、英語では単に dress と呼びます。英語の one-piece は主にワンピース水着を指し、普段着の意味では使われません。この用法も日本語経由で韓国に定着したと考えられています。

eye shopping → window shopping

買わずに見るだけの買い物を韓国語では「アイショッピング」と呼びますが、英語に eye shopping という表現はありません。正しくは window shopping で、店のショーウィンドウ越しに商品を眺めることに由来します。

skinship → physical affection

手をつなぐ、抱きしめるといった親密な身体接触を指す「スキンシップ」は、英語ネイティブにはまったく通じません。physical affection、holding hands、cuddling のように具体的な表現を使いましょう。

fighting! → Go for it! / You can do it!

応援のつもりで "Fighting!" と叫ぶと、英語ネイティブには「戦え」という意味に聞こえて誤解されます。応援するときは "Go for it!"、"You can do it!"、"Good luck!" などを使いましょう。

cider → lemon-lime soda

韓国語の「サイダー」はリンゴとは無関係な透明な炭酸飲料ですが、英語の cider はほとんどの場合リンゴ由来の飲み物(ジュースまたはアルコール入りの hard cider)を指します。韓国のサイダーに近いものは英語で lemon-lime soda と呼ばれ、スプライトや7upを思い浮かべると分かりやすいでしょう。

handle → steering wheel

自動車の運転で使うハンドルを、韓国語では「ハンドゥル」と言います。英語の handle は取っ手や握りを指す言葉で、車では steering wheel と言います。日本語の「ハンドル」と同じ発想で、日本語話者にはなじみのある例です。

manner mode → silent mode / vibrate mode

携帯電話の音を消す設定を、韓国語では「メノモドゥ(マナーモード)」と言います。英語で言うなら silent mode や vibrate mode です。manner mode と言っても通じないことが多く、これも日本語の「マナーモード」と同じ造語です。

concent → outlet / socket

壁の電源差し込み口を、韓国語では「コンセント」と言います。アメリカ英語では outlet、イギリス英語では socket と言い、英語の consent は「同意」という意味なので、「コンセントはどこ?」とそのまま言うと驚かれます。日本語の「コンセント」と同じく、英語本来の意味とは離れています。

alba → part-time job

韓国語の「アルバ」は、アルバイトを略した言葉で、アルバイトの仕事そのものや、その仕事をする人を指します。語源はドイツ語の Arbeit(仕事)とされ、日本語を経由して入ったと考えられています。英語では part-time job と言い、alba や arbeit では通じません。

one shot → bottoms up / chug

韓国語の「ウォンショッ」は、お酒を一気に飲み干すことを意味します。英語の one shot は「1杯分のお酒」や「1回の撮影」という意味で、一気飲みの意味にはなりません。一気に飲むよう促したいときは "Bottoms up!" や "Chug it!" と言います。ただし、無理に一気飲みを勧めるのは英語圏でも歓迎されません。

Dutch pay → go Dutch / split the bill

割り勘を、韓国語では「ダチペイ(ダッチペイ)」と言います。英語には Dutch pay という言い方はなく、"go Dutch" や "split the bill" と言います。Dutch pay のまま使うと通じにくくなります。

selca → selfie

自撮りを、韓国語では「セルカ」と言います。self と camera を縮めてつくった言葉で、英語の selfie にあたります。最近は韓国の映像や音楽を通じてこの語を知る人も増えていますが、英語の会話では selfie を使いましょう。

meeting → blind date (group)

韓国語の「ミティン」は、友人の紹介などで男女が集まる出会いの場、特に大学生が行うグループ型の合コンのような集まりを指します。英語の meeting は会議や打ち合わせのことなので、"I have a meeting tonight" と言うと仕事の予定だと受け取られます。出会いの席を表したいときは blind date や group date と言います。

なぜこうした言葉が生まれたのか

これらの言葉の多くは、英語から直接ではなく、数十年前からすでに独自の英語風造語(和製英語)を持っていた日本語を経由して韓国語に入ったと説明されることがあります。ただし、すべてが日本語経由とは限らず、由来が確定していない言葉も多くあります。外来語を自国の言語に合わせて短縮・再結合するという現象は、どの言語にも見られるものです。韓国語だけの特殊な現象ではありませんが、結果として本来の英語の意味とずれてしまっています。

落とし穴を避けるコツ

韓国語話者として英語を学ぶ場合も、英語話者として韓国語を学ぶ場合も、これらを「見た目は同じでも意味が違う言葉(いわゆる false friends)」として覚えておくのが確実です。上に挙げたような代表的な言葉をあらかじめ知っておくだけで、会話中の誤解の大部分は防げます。迷ったときは、その言葉を言い換えて説明する習慣をつけるのも有効です。たとえば「サービス」を使う代わりに "It's free" と言えば、確実に伝わります。

日本語話者にとっての使い方

日本語話者は、日本語の和製英語を知っているため、韓国語のコングリッシュを理解しやすい面があります。たとえば、ハンドル、マナーモード、コンセントは、日本語でも同じ形で使われています。ただし、日本語と韓国語で同じ言葉でも意味がずれている場合があります。たとえば、日本語の「サービス」にも「無料のおまけ」という意味があるため、感覚が近いことが多いですが、他の言葉は必ずしもそうではありません。英語で話す場面では、一度英語の言い方を確認してから使うのが安全です。

この記事の位置づけ

このページは、言語学習のための一般的な情報です。言葉の語源や使われ方は、地域や世代、状況によって異なり、辞書や専門家の見解が分かれることもあります。紹介した英語表現は、一般的に通じるとされるものの一例です。

よくある質問

コングリッシュは誤った英語なのですか?

標準的な英語には含まれませんが、韓国語の中では立派な語彙として機能しており、韓国語として使う分には間違いではありません。混乱が生じるのは、それを実際に英語として使ってしまったときだけです。

他の言語にも同じような借用語の変化はありますか?

はい。日本語の「和製英語」をはじめ、多くの言語に同様の現象があります。外来語を取り入れ、時間とともにその意味が本来のものからずれていくのは、言語が外国語の語彙を吸収する過程でごく普通に起こることです。

ネイティブは、コングリッシュを聞いたらどう感じますか?

多くの場合は、文脈から意味を推測してくれます。ただし、skinship や eye shopping のように、英語にない表現は意味が分からず、聞き返されることがあります。相手に失礼になることは少ないですが、誤解を避けるため、言い換えを知っておくと便利です。

韓国の人はこれらの言葉が英語ではないと知らないのですか?

知っている人も多くいますが、日常会話では韓国語として定着しているため、あえて英語に直さずに使っています。英語を勉強する人の間では、コングリッシュを学ぶことが定番の話題になっています。

ほかにどんな例がありますか?

本文で紹介した以外にも、リモコン(remote control)、ミキサー(blender)、ヘルス(gym)など、短縮や意味の変化を経た言葉が多くあります。いずれも、韓国語の語彙としては自然ですが、英語としては別の言い方が必要です。