時差ボケ(ジェットラグ)は、現地の時刻と体内時計がずれることで、日中の眠気、夜中の目覚め、食欲不振、集中力の低下などが出る状態です。 この計算機は「体内時計を何時間ずらす必要があるか」と「どちらの方向に移動したか」の2つだけから、回復までのおおよその日数を出します。 到着直後の会議や運転、帰国後の大事な予定をどのくらい余裕をもって組むかの目安にしてください。一般的な情報であり、医療上の助言や診断ではありません。
なぜ東向きのほうがつらいのか
外の光などの手がかりがないと、体内時計は1日がやや24時間より長い周期で進む傾向があると言われています。そのため、1日を引き延ばす方向(西向き)は比較的ついていきやすく、 1日を縮めて早寝早起きを強いられる方向(東向き)は難しいとされます。日本から東南アジアやヨーロッパへ行くのは西向き、日本からハワイやアメリカへ行くのは東向きに分類されます。 あくまで一般的な傾向で、個人差は大きく、ほとんど気にならない人もいます。
計算のしかた
使っているのは単純な経験則です。東向きはずらす時間 × 1.0日、西向きはずらす時間 × 0.67日で、小数第2位を四捨五入します。 体内時計が1日にずれを取り戻せる量を、東向きでおよそ1時間、西向きでおよそ1.5時間とする説明があり、1÷1.5≒0.67をそのまま式にしたものです。 資料によって数字は異なるため、実測値ではなく目安の係数と受け取ってください。
参考表1:時差ごとの回復日数の目安
| 時差 | 東向き | 西向き | 方向による差 |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 1日 | 0.7日 | 0.3日 |
| 2時間 | 2日 | 1.3日 | 0.7日 |
| 3時間 | 3日 | 2日 | 1日 |
| 4時間 | 4日 | 2.7日 | 1.3日 |
| 5時間 | 5日 | 3.4日 | 1.6日 |
| 6時間 | 6日 | 4日 | 2日 |
| 7時間 | 7日 | 4.7日 | 2.3日 |
| 8時間 | 8日 | 5.4日 | 2.6日 |
| 9時間 | 9日 | 6日 | 3日 |
| 10時間 | 10日 | 6.7日 | 3.3日 |
| 11時間 | 11日 | 7.4日 | 3.6日 |
| 12時間 | 12日 | 8日 | 4日 |
時差が大きいほど方向による差も開き、12時間では東向き12日、西向き8日と4日の開きになります。
参考表2:東京出発の都市別の例
| 到着地 | 標準時 | 東京との時刻差 | 体内時計のずれ | 分類 | 目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| バンコク | UTC+7 | 2時間 | 2時間 | 西回り | 1.3日 |
| ドバイ | UTC+4 | 5時間 | 5時間 | 西回り | 3.4日 |
| パリ(中央ヨーロッパ) | UTC+1 | 8時間 | 8時間 | 西回り | 5.4日 |
| ロンドン | UTC+0 | 9時間 | 9時間 | 西回り | 6日 |
| シドニー | UTC+10 | 1時間 | 1時間 | 東回り | 1日 |
| ホノルル | UTC-10 | 19時間 | 5時間 | 東回り | 5日 |
| ロサンゼルス | UTC-8 | 17時間 | 7時間 | 東回り | 7日 |
| ニューヨーク | UTC-5 | 14時間 | 10時間 | 東回り | 10日 |
日本標準時(UTC+9)と各都市の標準時の差から計算しています。サマータイムを採用する地域では期間中に1時間変わるため、出発前に実際の時差を確認してください。 時刻差が12時間を超える場合は、体は短いほうに回ると仮定して24から引いた値をずれとして使います。たとえばロサンゼルスは時刻差17時間ですが、体内時計にとっては東へ7時間のずれと同じ扱いです。
計算例
- 東京→パリ(西向き、8時間):8 × 0.67 = 5.36 → 約5.4日。1週間の旅行なら、帰国してすぐの月曜は余裕をもたせたほうが安心です。
- 東京→ロサンゼルス(東向き、7時間):7 × 1.0 = 7.0日。同じ7時間の時差でも、西向きなら4.7日なので、東向きは2日あまり長く見積もります。
- 東京→バンコク(西向き、2時間):2 × 0.67 = 1.34 → 約1.3日。初日の夜にいつもより早く眠くなる程度で済む人が多いと言われます。
よくある誤解と限界
- 「初日にぐっすり寝れば終わり」ではありません。疲れて眠れることと、体内時計が現地に合うことは別です。早朝に目が覚める、午後に強い眠気が来るといった状態が数日続くことがあります。
- 日数は100%回復までのカウントダウンではありません。調子が万全でない期間の目安で、つらさは到着直後が最も強いことが多いとされます。
- 短い出張は合わせないという選択もあります。2〜3日の滞在なら日本の睡眠時間帯を保つ人もいます。この計算機は長めの滞在や帰国後の回復向けです。
- 計算に入っていないもの。年齢、普段の睡眠習慣、機内での睡眠、到着時刻、服薬、シフト勤務、持病は反映されません。睡眠補助薬やサプリメントを使う前は医師・薬剤師に相談し、眠いときは運転を避けてください。
回復を早めるためによく挙げられる工夫
- 東向きの出発前は2〜3日かけて就寝・起床を毎日1時間ほど早め、西向きではその逆に少しずつ遅らせる。
- 搭乗したら時計を現地時刻に合わせ、現地が夜なら眠る努力を、昼なら起きている努力をする。
- 到着後は日中に屋外で光を浴びる。東向きなら午前、西向きなら午後の光が有利と説明されることがあります。
- 機内と最初の数日はカフェインとアルコールを控えめにする。昼寝は20〜30分程度に収める。
いずれも一般的な提案で、効果を保証するものではなく、すべての人に合うわけでもありません。
結果の使い方
出た日数は「重要な予定を避ける期間」として使いましょう。約5日と出たなら、大事な商談の前日入りではなく2日前に着くようにし、帰国後も最初の数日は業務を軽めにします。 就寝時刻の調整には90分周期で逆算する睡眠サイクル計算機、 カフェインがいつ抜けるかはカフェイン半減期計算機、 現地の時刻は世界のタイムゾーン変換や世界時間コンバーターで確認できます。 荷造りには旅行持ち物チェックリストもどうぞ。
よくある質問
この結果はどれくらい正確ですか?
大まかな経験則による目安です。年齢、体内リズム、睡眠習慣などで回復の速さは大きく変わるため、予測ではなく予定を組むための参考として使ってください。
3時間以内の時差でも時差ボケになりますか?
3時間未満ならほとんどの人が大きな不調なく慣れると言われます。ただ、夜行便や睡眠不足が重なると、時差と関係なく疲れが残ることはあります。
時刻差が12時間を超えるときは何を入力しますか?
入力できるのは0.5〜12時間です。それ以上のときは24から引いた値(17時間なら7時間)を入れ、実際に移動する方向を選んでください。表2のロサンゼルスの行が同じ考え方です。
西向きの係数が0.67なのはなぜですか?
体内時計が1日に東向きで約1時間、西向きで約1.5時間ずつ追いつくという説明から、1÷1.5≒0.67を使っています。資料によって数字が違うため、あくまで近似です。
メラトニンや睡眠薬を使ってもよいですか?
このページでは使用の可否をお答えできません。国や製品によって扱いが異なり、体調や他の薬との関係もあるため、出発前に医師・薬剤師に相談してください。