もう解決すべきアドレス不足は残っていない
IPv4のおよそ43億個というアドレス数は、インターネット全体をプライベートIPとNATに頼らせるほど窮屈なものでした。IPv6のアドレス空間は、原則として地球上のすべての機器がそれぞれ固有のグローバルアドレスを持ってもまだ何倍もの余裕があるほど広大です。アドレスの種類分けが存在するのは、希少な資源を配給するためではなく、事実上無限にある供給を用途ごとに整理するためです。
アドレスの種類が分かるとトラブルシューティングが速くなる
fe80::は必ずローカル専用、fc00::やfd00::は内部専用、2000::はグローバルに到達可能、というようにプレフィックスを一目で見分けられるようになると、接続トラブルの診断がぐっと速くなります。本来グローバルアドレスが表示されるはずの場面でリンクローカルアドレスしか表示されていなければ、その機器がネットワークから正しくアドレスを受け取れていないことがすぐに分かるからです。
IPv4の用語との対応表
IPv4とIPv6の用語を対応させると理解しやすくなります。グローバルユニキャストは公開IP、ユニークローカルはプライベートIP、リンクローカルは169.254.x.xの自動設定アドレスに近い立場、ループバックは127.0.0.1に対応します。IPv4のブロードキャストはIPv6にはなく、マルチキャストに置き換わっています。ただし、IPv6では1台の機器が複数のアドレスを同時に持つのが普通なので、「1台に1つのIP」という感覚は捨てたほうが混乱しません。
設定や確認時によくある勘違い
fe80::だけが表示されている場合は、ルーターからの案内を受け取れていないことが疑われますが、IPv6を提供していない回線では、これが正常な状態です。ユニークローカルアドレスは外部から直接アクセスされないとはいえ、ファイアウォールの代わりにはなりません。一時アドレスが頻繁に変わるため、サーバーの公開用には固定のアドレスを別途用意する必要があります。IPv6でもアクセス制限は、ルーターやファイアウォールで明示的に設定してください。
よくある質問
IPv6でもプライベートIPは必要ですか?
厳密には必須ではありません。IPv6のアドレス空間はNATなしでグローバルユニキャストアドレスを直接割り当てられるほど広いですが、インターネットから到達できないようにしたい内部専用通信のためにユニークローカルアドレス(ULA)を使うことはできます。IPv4のプライベートIPのように必須の構成要素というわけではありません。
リンクローカルアドレスでインターネットに接続できますか?
いいえ。リンクローカルアドレスは同じネットワークセグメント内でのみ有効で、ルーターを越えて転送されないよう設計されているため、インターネット通信には使われません。インターネット接続には常にグローバルユニキャストアドレスが使われます。
fd00::で始まるアドレスはfc00::と何が違いますか?
ユニークローカルアドレスの範囲fc00::/7のうち、現在実際に使われるのは、ローカルで割り当てる形式のfd00::/8です。fc00::/8側は将来の用途のために予約されています。fd00::の次の40ビットをランダムに生成することで、他のネットワークと衝突しにくくします。
自分の機器のIPv6アドレスはどこで確認できますか?
WindowsではコマンドプロンプトでipconfigやGet-NetIPAddress、macOSやLinuxではifconfigやip addressで確認できます。ネットワーク設定の詳細画面にも表示されます。外部から見えるアドレスは、IPアドレス確認サイトでも調べられます。
アドレスの先頭の2000と2400の違いは何ですか?
どちらもグローバルユニキャストの範囲(2000::/3)内で、地域のレジストリや事業者に割り当てられるブロックの違いです。先頭の数字だけで安全性や品質が変わるわけではなく、割り当て元を見分ける目安になるだけです。