METs(メッツ)とは
METs(Metabolic Equivalents)は、ある活動が安静に座っている状態の何倍のエネルギーを使うかを表す強度の指標です。1 METは、安静時の酸素摂取量(体重1kgあたり毎分およそ3.5mL)を基準に定義され、熱量にすると体重1kgあたり1時間でおよそ1kcalです。 METs 8.3のランニングは座っているときの約8.3倍、METs 2.5のヨガは約2.5倍のエネルギーを使うという意味になります。 種目ごとのMETsは「身体活動のコンペンディウム(Compendium of Physical Activities)」という一覧にまとめられており、このページの値はそうした一覧の代表的な中間値を参考にしたものです。 同じ種目でも速度や強度によって値が複数に分かれるため、ここで使う値は中程度の強度を想定した仮定値です。たとえばクロールは、ゆっくりから速いペースまで幅が広く、8.3はその間のおおよその値です。
計算式と手順
消費カロリー(kcal)= METs × 体重(kg)× 運動時間(時間)
運動時間は分ではなく時間に直します。30分は0.5時間、45分は0.75時間です。
- 例1: 体重65kgの人がランニング(METs 8.3)を30分行うと、8.3 × 65 × 0.5 = 269.75、約270kcalです。同じ30分のウォーキング(METs 3.5)なら 3.5 × 65 × 0.5 = 113.75、約114kcalで、ランニングの半分に届きません。
- 例2: 体重70kgの人がサイクリング(METs 6.8)を1時間行うと 6.8 × 70 × 1 = 476kcal。体重80kgの人がウェイトトレーニング(METs 3.5)を1時間行うと 3.5 × 80 × 1 = 280kcalです。
- 例3: 体重55kgの人が縄跳び(METs 11.0)を15分(0.25時間)行うと 11 × 55 × 0.25 = 151.25、約151kcalです。時間が短くても強度が高ければ、同じ人の30分のウォーキング(3.5 × 55 × 0.5 で約96kcal)より多く使います。
総消費量と純消費量は違います
上の式で求まるのは運動中の「総」消費カロリーです。ここには、運動をせずじっとしていても使っていたはずの安静時のエネルギー(1 METぶん)が含まれています。 運動によって「追加で」使った分だけを見たいなら、(METs − 1)× 体重 × 時間で求める純消費量を見ます。 体重65kgでランニング30分なら、総消費は270kcalですが、純消費は (8.3 − 1) × 65 × 0.5 = 237.25、約237kcalです。 ウォーキングのようにMETsが低い運動ほど、この差は相対的に大きくなります。運動後に食べるおやつと比べるときは、純消費量のほうが実態に近い数字です。
体重別・30分の消費カロリー表
下の表は、上の式(METs × 体重 × 0.5時間)で計算した総消費カロリーで、単位はkcalです。ページ作成時に自動計算しています。
| 運動 | METs | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ウォーキング(普通の速さ) | 3.5 | 88 | 105 | 123 | 140 | 158 |
| ランニング(時速8km) | 8.3 | 208 | 249 | 291 | 332 | 374 |
| サイクリング | 6.8 | 170 | 204 | 238 | 272 | 306 |
| 水泳(クロール) | 8.3 | 208 | 249 | 291 | 332 | 374 |
| ヨガ | 2.5 | 63 | 75 | 88 | 100 | 113 |
| ウェイトトレーニング | 3.5 | 88 | 105 | 123 | 140 | 158 |
| バスケットボール | 6.5 | 163 | 195 | 228 | 260 | 293 |
| サッカー | 7 | 175 | 210 | 245 | 280 | 315 |
| 縄跳び | 11 | 275 | 330 | 385 | 440 | 495 |
| 登山 | 6 | 150 | 180 | 210 | 240 | 270 |
強度の高い順では、縄跳び、ランニング(時速8km)、水泳(クロール)が上位で、ウェイトトレーニング、ヨガは低めです。ただしMETsが低い運動に意味がないわけではありません。長く続けやすく、けがのリスクも低いため、1週間の合計では高強度の運動より多く使えることもあります。
この計算がずれる理由
- METsは平均値です。多くの人を測定した平均なので、体力、技術、体組成によって個人差が出ます。同じ水泳でも、熟練者と初心者ではエネルギー消費が違います。
- 強度や速度は反映されません。この計算機は種目ごとに代表値を1つ使います。ランニングの時速8kmと12kmではMETsが大きく異なり、サイクリング、水泳、登山(傾斜や荷物)、縄跳びも条件で幅があります。実際の強度が代表値より高い・低いなら、結果もその分変わります。
- 体重だけに比例します。脂肪と筋肉を区別しないので、同じ体重でも筋肉量が多い人は実際の消費が大きいことがあります。
- 休憩時間が含まれます。ウェイトトレーニングのようにセット間の休憩が長い運動で、ジムにいた時間をそのまま入力すると過大になります。実際に動いていた時間を入力してください。
- ウェアラブル端末と数字が違う理由。時計やバンドは心拍と動きから、この計算機は種目の平均強度から推定します。どちらも実測値ではなく、誤差があります。
体脂肪換算の見方
体脂肪1kgをおよそ7,700kcalとみなすのは、広く使われている目安です。この計算機の「体脂肪換算」も同じ基準です。たとえば体重65kgの人がランニング30分(約270kcal)を続けて、体脂肪1kgぶんの熱量を使うには約28〜29回が必要です。 ただし実際の体重の変化は、食事量、水分、筋肉量の変化、代謝の適応などで、この単純な換算とは異なります。運動だけで体重を落とそうとするより、食事の見直しと組み合わせるほうが変化を作りやすい点も覚えておきましょう。
時間を増やすか、強度を上げるか
体重65kgで270kcal(総量)を使う方法はいくつもあります。ランニング(METs 8.3)なら30分ですが、ウォーキング(METs 3.5)で同じ量を使うには 270 ÷ (3.5 × 65) = 約1.19時間、つまり71分かかります。 時間が足りない人は強度を上げるほうが効率的で、関節や体力に不安のある人は時間を延ばすほうが安全です。初心者がいきなり強度を上げるとけがのリスクが高まるため、まず週あたりの運動時間を増やしてから、少しずつ強度を上げる順序が一般的に勧められます。 世界保健機関(WHO)は成人に週150分以上の中強度の有酸素運動を勧めています。この計算機でその時間がおよそ何kcalにあたるか感覚をつかめます。体重65kgで週150分のウォーキングなら 3.5 × 65 × 2.5 = 約569kcalです。
この計算機を使うべきでない場合
- 心疾患、高血圧、関節の病気などで運動強度を制限されている場合: 消費カロリーよりも医師が勧める強度を優先してください。
- 妊娠中の方や18歳未満の方: 成人の平均に基づく値なので、正確ではありません。
- 選手のトレーニングのように精密なエネルギー収支が必要な場合: 呼気ガス分析などの実測が必要です。
結果の活用方法
- 同じ時間を使うならどの運動が効率的か、結果の比較表で確認し、長く続けられる種目を選びましょう。
- 1日の目標摂取量を決めるには、まず基礎代謝・TDEE計算機で維持カロリーを求め、運動の消費量は参考として加える程度にとどめてください。運動の消費量をそのまま「その分食べてよい量」にすると、誤差が積み重なります。
- 運動強度を心拍数で管理したい場合は心拍ゾーン計算機が役立ちます。
- 歩く運動が中心なら歩数カロリー計算機、ランニングの目標にはランニングペース計算機、1日全体のカロリーはカロリー計算機が使えます。
ご注意
この計算機の結果は、平均的なMETs値に基づく参考用の推定値であり、医療上の助言ではありません。健康に不安がある場合や新しく運動を始める場合は、専門家に相談してください。入力した値はサーバーに送信されず、ブラウザ内だけで計算されます。
よくある質問
同じ運動でも人によって消費カロリーが違うのはなぜですか?
METs式は体重に比例するため、同じ運動を同じ時間行うと、体重が重い人のほうが多く計算されます。実際にも体を動かすのにより多くのエネルギーが必要です。そこに体力、慣れ、体組成の違いが加わって、実際の値は変わります。
運動の強度によってMETsは変わりますか?
はい、同じ運動でも速度や強度で大きく変わります。この計算機は代表値を1つ使うので、ずっと軽く行ったなら結果より少なく、ずっと強く行ったなら結果より多く使われたと考えるのが妥当です。
総消費量と純消費量はどちらを基準にすればよいですか?
運動によって追加で使った量を知りたいなら純消費量です。総消費量にはじっとしていても使っていた安静時のエネルギーが含まれます。食事や間食と比べるときは、純消費量を使うと過大評価を防げます。
ウェイトトレーニングのMETsが低いのはなぜですか?
セット間の休憩を含めた平均強度で決められているためです。休憩を減らして大きな筋肉を連続して動かせば、実際の強度はもっと高くなります。その場合は、実際に動いた時間を入力すると正確です。
運動時間にウォームアップや休憩も含めますか?
その強度で実際に動いた時間だけを入力するのが正確です。ウォームアップが軽い歩行程度なら、別の運動として2回に分けて計算し、合計してください。
消費した分だけ食べれば体重は維持できますか?
理論上は消費と摂取が等しければ収支は釣り合いますが、運動の消費量の推定には誤差があり、運動後に食欲が増えることもあります。2週間以上体重の変化を記録しながら調整するほうが確実です。