クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンス事典:BY・NC・ND・SA

画像や文章の下に付いている「CC BY-NC」のような表示は、正確にはどういう意味なのでしょうか。クレジットの書き方や、できること・できないことも含めて、一度に整理します。

BY(表示)- すべてのライセンスに共通の要素

6種類のCCライセンスすべてに含まれます。著作物を利用する際、原作者の名前、出典、ライセンスの種類を示し、変更を加えた場合はその旨を表示しなければならないという条件です。覚えやすい目安として、タイトル(Title)、作者(Author)、出典(Source)、ライセンス(License)の頭文字をとったTASLがあります。表示の方法は、媒体に合った合理的な方法でよく、画像の下のキャプション、動画のクレジット欄、文書の脚注などが使われます。

NC(非営利)- 主に営利目的での利用は不可

主として商業的利益や金銭的報酬を得ることを目的とした利用はできないという条件です。個人ブログ、学校の課題、非営利団体の資料などが典型的な利用です。どこからが営利なのかは判断が難しい場合があります。広告収入のあるブログ、企業のニュースレター、有料講座などは営利と判断されることがあるため、迷ったときは、作者に許可を求めるか、別のライセンスの作品を選びましょう。

ND(改変禁止)- 元の形のまま共有する

著作物を元の形のまま共有できるという条件です。リミックスや加工をして、その結果を配布することはできません。トリミング、レタッチ、翻訳、楽曲の編曲などは、一般に改変にあたり、NDでは認められません。法律がもともと認めている範囲での引用は、別の問題として扱われます。

SA(継承)- 同じ条件を引き継ぐ

著作物を変更したり、他の著作物と組み合わせて新しい創作物を作ることはできますが、その結果物にも、元と同じライセンスまたは互換性のあるライセンスを適用しなければならないという条件です。他の人による改良も同じ条件で開かれたままになります。コピーレフトと呼ばれる考え方に近い要素です。

CC BY - 6種類の中で最も自由

最も開放的なライセンスで、著作者を表示すれば、営利的な利用、改変、再配布がすべて自由です。できるだけ多くの人に使ってほしい作者に向いており、オープン教材や学術のオープンアクセス論文などで広く使われています。

CC BY-SA - 表示+継承

著作者を表示すれば営利的な利用と改変が自由ですが、二次的著作物にも同一または互換性のあるライセンスを適用しなければなりません。ウィキペディアなどのウィキメディアのプロジェクトで使われており、2023年にバージョン4.0に移行しました。継承の条件があるため、CC BY-SAの作品を改変して、より厳しい条件や閉じたライセンスで公開することはできません。

CC BY-NC - 表示+非営利

著作者を表示し、非営利目的の場合にのみ自由に利用・改変できるライセンスです。二次的著作物には別の条件を適用することもできますが、その場合も、非営利であること、元の作品の表示が必要です。

CC BY-NC-SA - 表示+非営利+継承

著作者表示と非営利条件を守れば改変が可能ですが、結果物にも同一条件のライセンスを適用しなければなりません。オープンな講義資料や教育コンテンツで人気があります。

CC BY-ND - 表示+改変禁止

著作者を表示すれば、営利目的を含めて自由に配布できますが、内容を改変したり、二次的著作物を作ったりすることはできません。作者が内容を変えられたくないレポートやエッセイなどでよく使われます。

CC BY-NC-ND - 6種類の中で最も制限が多い

著作者を表示し、原本のまま、非営利目的でのみ配布できる、最も制限的なライセンスです。改変と営利的利用がいずれも禁止されます。自由に共有してもらいつつ、翻案の主導権は手元に残したい作者に選ばれます。

CC0(パブリックドメイン寄贈)- 作者による権利の放棄

著作者が自分の著作権および関連する権利を、法律で認められる最大限の範囲で放棄すると宣言するツールです。完全な放棄が法的にできない地域では、きわめて寛容なライセンスとして機能します。誰でも、許可を取らず、表示もなしに自由に利用できます。ただし、表示するのが礼儀です。データセットや科学データなどで使われます。なお、日本の著作者人格権のように譲渡できない権利は、国によって扱いが異なります。

パブリックドメインマーク - ライセンスではなくラベル

保護期間の満了など、既知の著作権による制限がない作品に付ける表示です。作者が自ら権利を放棄するCC0とは異なり、法的な効果を変えるものではなく、作品の状態を知らせるためのラベルです。保護期間は国によって異なるため、ある国ではパブリックドメインでも、別の国ではまだ保護されている場合があります。

クレジットの書き方の例

たとえば、田中花子さんの写真「秋の橋」をCC BY 4.0で使うなら、「秋の橋 / 田中花子 / 出典:該当ページのURL / CC BY 4.0」のように、タイトル、作者、出典、ライセンスを書き、ライセンス本文へのリンクを付けます。トリミングや色補正をしたなら、「元の作品から改変」などと添えます。作者がクレジットの書き方を指定している場合は、それに従いましょう。表示の欠落は、CCライセンスの違反として最も多いものです。

クリエイティブ・コモンズ(CC)とは?

クリエイティブ・コモンズは、非営利団体であり、同時に標準化されたライセンスの仕組みです。著作者が自分の著作物を、「すべての権利を保有」と「権利なし」の間のさまざまな条件で共有できるようにしています。2000年代初めに設立され、最初のライセンスは2002年に公開されました。表示(BY)、非営利(NC)、改変禁止(ND)、継承(SA)の4つの要素を組み合わせて、6種類のライセンスがあります。バージョン4.0は2013年に公開され、現在の主流です。CCライセンスは著作権法に代わるものではなく、あらかじめ与えられた利用許諾なので、条件を守る限り、作者に連絡する必要はありません。

CCライセンスがカバーしないもの

CCライセンスは、著作権とそれに関連する権利だけを扱います。商標権、肖像権やプライバシー、パブリシティ権などは対象外で、別に問題になることがあります。たとえば、CC BYの写真に特定の人物が写っている場合、商業利用には本人の同意が必要になることがあります。CC付きのロゴを自分のブランド名として使えるわけでもありません。日本の著作権法が定める私的使用や引用などの権利制限も、引き続き使えるため、ライセンスなしで利用できる場合もあります。また、いったん与えられた許諾は、取り消すことができません。作者は新しい配布をやめることはできますが、すでに入手した人への許諾は撤回できません。

異なるライセンスの作品を組み合わせる

作品を組み合わせるときは、より厳しい条件が全体を左右します。CC BYの作品は、ほぼ何とでも組み合わせられます。継承(SA)の作品を含む場合は、結果物に同じ、または互換性のあるライセンスが必要で、非営利(NC)を含む場合は、全体が非営利でなければなりません。CC BY-SAとCC BY-NC-SAのように、継承を含む異なるライセンス同士は、一般に互換性がありません。BY-SA 4.0には、他の一部のライセンスとの公式な互換性があり、CCが互換性の表を公開しています。NDの作品は、改変した形でリミックスに含めることはできません。

違反したときの猶予(4.0)

バージョン4.0では、ライセンス違反があると許諾は自動的に終了しますが、違反を知ってから30日以内に是正すれば、許諾が復活します。たとえば欠けていた表示を付け足すといった対応です。誠実なミスを直しやすくなっていますが、それでも作者が法的措置をとる可能性は残るため、公開前に条件を確認し、各作品のURLとライセンスのバージョンを記録しておきましょう。

画像に透かしで出典を表示したい方へ

CCライセンスの条件に合わせて、著作者表示を画像に直接残したい場合は、画像透かし生成ツールも活用できます。ただし、作品の上に重ねた透かしは、改変にあたる場合があります。NDのライセンスでは認められないので、その場合は、余白、キャプション、別のクレジット欄に表示してください。

よくある質問

CCライセンスが付いた著作物は無条件で無料で使ってよいのですか?

いいえ、ライセンスの種類によって条件が異なります。例えばCC BY-NCが付いた著作物は営利目的では使用できず、CC BY-NDが付いた著作物は内容を変更できません。実際に利用する前には、その著作物に表示された正確なライセンス条件とバージョンを確認してください。

CC0とパブリックドメインは同じ意味ですか?

似ていますが、成り立ち方が異なります。CC0は著作者が自ら権利を放棄すると宣言するツールで、パブリックドメインマークは保護期間の満了などですでに著作権が消滅した状態を知らせるラベルです。

CC BY-NCの画像を企業のウェブサイトで使えますか?

主として商業的利益を目的としない利用に限られます。商品を売るページ、広告のあるページ、会社の宣伝のページは、営利と判断される可能性が高いです。判断に迷う場合は、CC BYやCC0の画像を選ぶか、作者に許可を求めましょう。

CC BY-NDの記事を翻訳して公開できますか?

翻訳は一般に改変にあたり、NDでは共有が認められません。個人的な利用のために翻訳するのは自由ですが、公開するには許可が必要です。BY、BY-SA、BY-NC、BY-NC-SAの作品は、ライセンスの条件の範囲で翻訳できます。

自分の作品にライセンスを付けるには、どう選べばよいですか?

営利利用を認めるか、改変を認めるか、改変した作品も開かれた状態にするかを決めます。CCの公式サイトには、ライセンス選択ツールがあります。最大限に使ってほしいならCC BYかCC0、派生作品も開かれたままにしたいならBY-SAが選択肢です。自分が権利を持っているものしかライセンスできないので、作品に含まれる素材の権利も確認してください。