同じ英語なのになぜ単語が違うのか
イギリス英語とアメリカ英語は文法の骨組みはほぼ同じですが、産業革命以降、両国がそれぞれ独自の道を歩み、新しい物や概念に別々の名前を付けてきたことで語彙の違いが積み重なりました。特に自動車、衣類、食べ物のような近代に新しく登場したものほど、呼び方が異なる傾向があります。また、片方の国で古い意味が残り、もう片方で変化した単語や、アメリカ英語がスペイン語やオランダ語などから借用した単語もあります。
形が違うだけでなく意味が違う単語に注意
最も注意が必要なのは、それぞれ別の単語を使う組み合わせよりも、同じ単語が別の意味を持つ組み合わせです。pantsはアメリカでズボン、イギリスでは下着を指します。biscuitはイギリスではサクサクしたお菓子、アメリカでは柔らかいパンです。chipsはイギリスでは太いフライドポテト、アメリカでは薄いスナック菓子を指します。public schoolはアメリカでは公立学校ですが、イギリス(イングランド)では伝統ある有料の私立学校を意味します。誤解の恐れがあるときは、物の説明を添えると安全です。
文法や表現の小さな違い
語彙以外にもいくつかの傾向があります。イギリス英語では集合名詞を複数扱いにすることが多く、The team are playing well.のように言いますが、アメリカ英語では単数扱いが一般的です。イギリスではat the weekendやin hospital、アメリカではon the weekendやin the hospitalと言います。また、イギリスでは現在完了形(I have just eaten)を使う場面で、アメリカでは過去形(I just ate)もよく使われます。日付は、イギリスでは日/月/年、アメリカでは月/日/年の順で書くことが多く、3/4はイギリスでは4月3日、アメリカでは3月4日を意味します。
つづりのパターン
つづりの違いにはいくつかの規則があります。イギリスの-ourはアメリカでは-or(colour / color)、イギリスの-reはアメリカでは-er(centre / center)になります。イギリスで-iseで終わる動詞は、アメリカでは-izeになるのが一般的です(ただしイギリスの出版社でも-izeを使う場合があります)。動詞の語尾のlを重ねる形(travelling / traveling)や、cheque / check、tyre / tire、grey / gray、programme / programなども代表例です。文書の中ではどちらかに統一することが大切です。
どちらの表現を覚えるべきか
TOEICやTOEFLのような試験、アメリカのドラマやYouTubeに主に触れているならアメリカ式の表現が馴染み深いでしょう。一方、イギリスやオーストラリア、インドなどイギリス英語圏に旅行・留学したり、イギリスのコンテンツを楽しんだりするなら、イギリス式の表現も合わせて知っておくと良いでしょう。どちらの表現でも相手に通じないことはまれですが、状況に合った単語を使うとより自然に聞こえます。レポートや仕事の文書では、提出先が求める方式に合わせて統一してください。
よくある質問
スペル(つづり)も違うのですか?
はい、語彙だけでなくスペルも異なる場合が多くあります。例えば色を表す単語は、イギリス式ではcolour、アメリカ式ではcolorと書き、こうした-our/-or、-re/-erのつづりの違いは他の単語でも同じような規則で見られます。
他にも似たような比較を見られますか?
このページは日常語彙のペアに絞って詳しく取り上げています。スペルのルールや文法、日付表記まで含めた全体的な比較を見たい場合は、イギリス英語とアメリカ英語の違い全般をまとめた記事も別途参考にしてみてください。
間違った方の単語を使うと通じませんか?
ほとんどの場合は通じます。英米の多くの人は映画やインターネットを通じて両方の単語に慣れています。注意したいのは、pantsやbiscuit、chips、subwayのように同じ単語が別の意味になる少数の組み合わせで、その場合は一言説明を足せば解決します。
オーストラリアやカナダの英語はどちらに近いですか?
両方の特徴を併せ持ちます。オーストラリア英語やアイルランド英語は語彙・つづりともイギリス式に近い一方、カナダ英語はcolourやcentreのようなイギリス式つづりを使いながら、日常語ではtruckやapartmentなどアメリカ式の単語を多く使います。国内でも地域差があります。