「手話は話し言葉に準じる」という誤解がなくならない理由
「その国の手話は、その国の話し言葉を映したものだろう」という考えは直感的ですが、誤りです。手話は、ろうコミュニティの中で周囲の話し言葉からある程度独立して発展していきます。そのため、ASLとBSLは、どちらも英語と共に存在しながら、これほど大きく異なっているのです。日本でも同じで、日本手話は日本語とは別の言語として発展してきました。
通訳は独自の専門職
日常会話でASLに堪能であることと、医療・法律・教育の現場で通訳を担う資格があることは別の話です。後者には追加の専門的な訓練が必要で、米国では、たとえばRegistry of Interpreters for the Deaf(RID)のような資格認定が求められることが多くあります。日本にも、手話通訳士や手話通訳者といった資格・登録制度があります。
言葉の選び方:「聴覚障害者」と「ろう者」
ろう者の中には、自分たちを障害者としてではなく、手話という言語を共有する言語的少数者として捉える人が多くいます。一方で、中途失聴や難聴など、異なる立場の人もいます。呼び方に迷ったときは、その人が自分自身をどう呼んでいるかに合わせるのが基本です。
よくある質問
ASLは、単に英語を手のサインで綴ったものですか
いいえ。その説明はASLそのものよりも指文字やSigned Exact Englishに近いものです。ASLは英語とは異なる、独自の文法と文構造を持っています。
ASLがわかる人は、イギリス手話(BSL)も理解できますか
自動的にはできません。ASLとBSLは語彙が異なるだけでなく、指文字に使う手の数も異なる(ASLは片手、BSLは両手)独立した言語であり、片方に堪能でも、もう片方にそのまま通用するわけではありません。
ASLが流暢になるまでどれくらいかかりますか
他の言語の学習と同様、個人差や学習の強度で大きく変わります。基本的な会話の手話であればもっと早く身につけられますが、本当の意味での流暢さは、週や月ではなく年単位の継続的な練習で測られるのが一般的です。
ASLを学ぶにはどこから始めればよいですか
ろう者の講師が教える講座や、地域のろう者団体が開く教室を探すのが近道です。手の形だけでなく表情や体の動きの文法も合わせて習い、実際に手話で話す機会を持つことが大切です。
米国のろう者は皆ASLを使っていますか
手話を使う米国のろう者の大多数はASLを使っていますが、全員ではありません。読唇や話し言葉の英語、キュード・スピーチ、その他の手話体系など、別のコミュニケーション方法に頼る人もおり、背景や育ち方、教育によって異なります。